駅前不動産屋 今日の敵は     未来の恩人

不動産業界の生きた化石 はるぼ

サトウキビ農家型不動産業

沖縄と言うのは本土と色んな違いありますが 
 
その一つに都市部と農村の距離が近いと言う立地的な特色があります。 
 
東京の私たちの地域にも農家は存在していますが 
 
しかしそれとは明らかに違います。 
 
私たちの地域の農家は農業で生計を立ててる訳ではありません 
 
大体家賃収入があって農業は一握りの人が 
 
趣味に近い形でやってるわけです。 
 
ところが沖縄には 
 
都市部の近くで専業農家がたくさんいます。 
 
私の実家も近くに那覇糸満の町がありますが 
 
兄はサトウキビの専業農家です。 
 
そんな沖縄の銀行 
 
ビジネスマンと農家の両方を相手にする訳ですが 
 
銀行マンの面白い話を耳にしました。 
 
それは 
 
沖縄の銀行では 
 
都市部のビジネスマンは立派なスーツを着て銀行にお金を借りに来るそうです。 
 
ところが 
 
農家の皆さんは 
 
汗が染みついた作業着姿で 
 
お金を預けに来るそうです。 
 
この話面白いですよね。 
 
実際私の父も一生農家でしたが 
 
銀行にはお金を預けるだけで 
 
借りた事は私が小学生の時に家を建てて以来ありませんでした。 
 
この話 
 
色んな見方ができますが 
 
一つには 
 
農家が汗水垂らして稼いだお金を 
 
ビジネスマンはそれを利用して 
 
良い暮らしをしてる 
 
この構造が見えてきます。 
 
また 
 
一見裕福に見えるビジネスマンは借金があって 
 
一見貧しく見える農家の人は預金がある 
 
こんな風にも言えます。 
 
が 
 
私はその農家と 
 
まさにお金を借りてビジネスを行う世界 
 
この両方に自分の身を置いて 
 
この事の意味をよく理解できます。 
 
農家が肉体労働で稼いだわずかな金を預金し続けるのは 
 
その事によって 
 
精神の安定を得るためです。 
 
農業は豊作の時もあれば 
 
凶作の時もあります。 
 
この凶作の恐怖が 
 
農家には染みついてますので 
 
その時の備えになる蓄えが習慣づいてる訳です。 
 
この習慣は 
 
大昔から何代にも渡って築かれた意識ですから 
 
豊かな時代になっても変わらないのです。 
 
逆にビジネスマンは 
 
自らは食料の生産を行いません 
 
ですから生きてくためには 
 
お金を上手く動かして 
 
そして生きる糧をえる訳です。 
 
自己資金だけでビジネスが行えれば良い訳ですが 
 
それでは小さなビジネスしかできませんから 
 
豊かになる事は難しくなります。 
 
ですから 
 
どうしても銀行からお金を引き出して商売をする事になる訳です。 
 
銀行からお金を引き出すのに 
 
みすぼらしい格好では 
 
相手にされませんからね 
 
必然的に着飾る事になる訳です。 
 
で 
 
私自身がこの仕事を長くしてる訳ですが 
 
その中で 
 
自分自身が変化する過程 
 
この事がよく分かります。 
 
私も昔は銀行から借り入れて 
 
建て売りをやったりなんかしてた時期がありましたが 
 
その時にはやはりブランドのスーツを着て銀行に行っていました 
 
ところが今は 
 
私は銀行からお金を借りる事がありませんから 
 
見栄を張る必用もありません 
 
最近は作業着で銀行に行く事もよくあります。 
 
まぁしかし 
 
この世の中は 
 
お金を預ける人と 
 
それを借りて上手く生かす人 
 
この両輪で成り立ってる訳ですから 
 
どっちが良いとか悪いとかって話ではありません。 
 
強いて言えば資本主義ではどっちも大切です 
 
車の両輪と一緒です。 
 
ただ 
 
私自身は 
 
育った環境が農家ですから 
 
借りれをガンガンして売り上げを伸ばす 
 
どうもそんな能力が欠如してるのです。 
 
ですから 
 
不動産業でありながら 
 
僅かのお金をこつこつ銀行に預ける 
 
こんな商売になっています。 
 
売り上げは伸びませんが 
 
自分自身に合った経営のようで 
 
昔と比べると 
 
随分心穏やかです。 
 
たぶんこんな感じで一生を終えるのだろうと思っています。